2006年06月28日

[ワンダフル食堂の人4]第1話/ひび

多恵の法事から一週間。地方から来てくれた親戚は、翌日帰って行き。
ゆっくりしていた大介も、一昨日帰ってしまった。
覚悟はしていたけど、女の子としての大介と会って母親としては複雑である。
「これがあの子の選んだ生き方なら、認めてあげないと」と、思う小百合であった。

「もうこんな時間。良次、麻子起きてねぇ」
「はーい、お兄ちゃん朝だよ」
「むにゃー。後5分。。。むにぃー」
「お兄ちゃんってば!もー!」
相変わらずの、子供達。

「良次、起きなさい。もう、毎日毎日」
「おっ!トイレー。」
「まったく。だから早く・・・」
「ジャー♪」
ガチャ!!
「いってきまーす」
「忘れ物ない?気を付けるのよ」
いつもの事だが、慌しい。
「さてと、かたずけるか」
子供達を送り出して、小百合が一人になれる唯一の時間である。
「このケーキ、美味しそう。西麻布か。今度いってみよう」
掃除、洗濯などしながらのひととき。
「ちび、ご飯よ。」
などと、動きながらテレビを見ている。

「ただいま、カサゴが安かったよ。煮付か塩焼きでいいよな」
「ちと高かったが、旬の生ウニも入ったぞ」
「それって、お爺ちゃんのおつまみ?!」
「今だけじゃ、許してくれって」
「もう!」
「旨いんじゃぞ」
10時過ぎ、良男と大造が市場から帰ってきた。

「ポテトサラダときんぴら、味噌汁付きで。日替わり決定」
週に2回は、市場に出かけている良男と大造である。

「いらっしゃい」
「こんちは、大爺いる? 今日は負けねぇぜ」
将棋大好きふじむら写真館の大将がやってきた。

「小百合ちゃん、相変わらず綺麗だね。日替わり定食ひとつね。」
常連の晴海湯店主も現れた。
「今日の日替わりは、カサゴの煮付。それでいい?」
「いいねぇ、旨そう」

ガラガラガラ。
「いらっしゃいませ」
「日替わり定食」
この辺りでは見かけない一人の紳士が入ってきた。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。